2001年、第三舞台20周年記念公演『ファントム・ペイン』の後、第三舞台は、10年間、活動を封印することになりました。その理由について演出の鴻上は、「一言で言えば、僕も役者達も、いろんな人達と出会うためです。幸いなことに、ずっとお客さんが応援して下さっていて、公演を続けることは可能です。普通は、お客さんが誰もいなくなって社会的に封印されるか、劇団がもめて自主的に封印する場合が多いと思うのですが、第三舞台は、幸福なことに20年間、ずっとやってこれています。けれど、同じ人間同士とだけやることは、ツーと言えばカーの間になっていくことです。コミュニケイションの言葉がどんどん少なくなっていくのです。これは、じつは、演出の僕なら、演出の言葉がやせ細っていくことになるのです。一言ですべてが分かり合ってしまうのは、お互いにとってよくないと判断しました。それぞれが、ひとり旅に出て、いろんな人と出会い、言葉の通じない人や感性のまったく違う人と演劇をすることで、俳優も僕もより豊かになると判断して、10年間、封印することにしました」
と封印の理由を説明しています。
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