これは、夢見る時期を過ぎても、夢を見続けたいと決意した人達の物語である。 夢が終わっても人生は続く。 青春が終わった後の人生、物語を失った人生、それは夢のない人生と同じ意味じゃない。 夢のない人生を生きることは、人生から歌を捨て去ることと同義だ。 夢見る時期を過ぎても、夢を見続けたいとあがく人達の姿は、 愚かで滑稽で、そして格好良い。
そんなわけで、8年ぶりにやっと再演できることになりました。 ブルーハーツの音楽と共に、またこの作品を上演できることに興奮しています。 ロックが永遠の反抗、持続する抗議だとすれば、本当のロックとは何か? 本当の反抗とは何かを考えた作品です。 それも、深刻にではなく、ブルーハーツの最高の音楽に乗せて。 紀伊國屋サザンシアターをライブハウスにするつもりです。 ぜひ、心と身体の汗をかきに来てください。
鴻上尚史
■初演時のコメントより ブルーハーツの全ての曲、ブルーハーツ自体をリスペクトしています。 聞いていると自然に元気をもらえます。この作品「リンダ リンダ」も、生きていくぞと心底思える様な、エネルギー溢れる作品にしたいと思います。 2年前、ニューヨークでミュージカル『マンマ・ミーア!』を見た時、全編、『ABBA』の音楽だけで物語を進行していくという構成に、目からウロコが落ちました。 自分にとっての『マンマ・ミーア』を、「今はないバンドで、自分自身の気持ちを込められる」というところから構想しました。 これは、『ザ・ブルーハーツ』へのオマージュであり、同時に、『ザ・ブルーハーツ』の名曲に負けない音楽劇を作りたいという宣言でもあります。