初日があいて、ずっとごぶさたしました。劇評は、「まあまあ好評」というところで、大手の新聞は、五つ星中三つ星が主流です。
もちろん、激しくほめてくれているものも、けなしているものもありますが、主流は、三つ星の「まあまあいいです」に集中しています。こっちは、「絶賛」を期待していたので、正直、ちょっと肩すかしです。
一番多い批評のパターンは、「ジャン・ジュネやピランデルロを知っている我々には、この作風は馴染み深い」というようなものです。プロデューサーは、ちょっと不満そうな僕に「なに言ってるんですか。世界演劇史に残っているジャン・ジュネやピランデルロと比較されているんですよ。それだけで名誉なことじゃないですか」と、言っていました。
それはたしかにそうです。だいいち、1993年に書いた戯曲ですから、日本でだって、今、上演する時は、「新しさ」をメインに押し出してはいないので、「んなこと言われてもなあ」と、ちょっと思っています。
でも、劇評だけで、20本近く出ています。それだけでもすごいです。ほとんどの劇評が、役者のアンサンブルのよさと演技の素晴らしさを褒めてくれているのは、うれしくて、ほっとしています。。
で、こんなにブログの更新が遅れたのは、初日からしばらく飲み歩いていたのと(わははは)、けれど、次の週の火曜の夜、終演後に俳優の一人が肺気胸で緊急入院をしてしまったからです。ひょえ~!
で、日本だと、多分,すぐに公演中止だと思うんですが、そこは演劇の国イギリスなのか、劇場の芸術監督(劇場側の一番偉い人ね)は慌てず騒がず、平気な顔で、その日のうちに代役を探し出し、稽古を続けながら、台本を持ったままの公演をやりとげているのですよ。すごいですわ。
でまあ、幕が開いたのに、忙しいのね。
いやあまあ、ロンドンで演出家生活初めての体験ですわ。
芝居自体は、ものすごくいい感じで進んでいて、毎日、よくなっていただけに、入院という”具体的”な事態は、ちょっとショックです。でもまあ、アンダースタディー(まさかの時の代役)も立てなかったかからこそ、素敵な人間関係を築けたのです。
俳優の回復を待ちながら、台本を持って読む代役で稽古しながら、公演を続ける日々です。
まさに、ショウマストゴウオンの世界です。
なんて、スリリング!
写真は、パーティーのものです。
これが装置家のボブです。
左より、装置のボブ、照明のマルコム、副舞台監督のマリー、そして、演出補のアタック・サラ
パーティーで感謝のシャウトをしているおいら
メレディスと僕
一番左、パーティーに来たレイモンド