2) アウェアネス・イン・アクション
~アレクサンダー・テクニークへの導入~
アレキサンダー・テクニークは、オーストリア生まれの舞台俳優フレデリック・マサイアス・アレキサンダー(Frederick Matthaias Alexander)によって開発されました。将来を嘱望された舞台俳優であったアレクサンダーは、演技中に声がかすれるという問題を抱え、その原因解明と解決のために自身の行動を観察し、習慣的な反応や不必要な緊張などが、からだの自然なはたらきや自由な動きを妨げ、故障を起こさせるということを発見し、それを防ぐ方法を編み出すことに成功しました。それにより、心身への意識を高め、表現の選択を広げるこのテクニックは、現在では欧米各地の演劇、音楽、ダンス学校などの授業課程に取り入れられています。
今回は、テクニックを学ぶ上で基礎となる、「自分自身の行動の観察」を、様々な即興的な動きを通して学び、自身の習慣を発見すると共に、行動に伴う「正確な身体感覚」と「動きに必要な意志」の認識を高めて、より自由な動きによる表現を体験することを目指したいと思っています。
講師/松本乃里子(まつもとえりこ)
アレキサンダーテクニーク指導者協会(STAT)公認講師。4年間の英国留学中、ダンス、ムーブメント、表現の研究とともに、アレクサンダー・テクニックを学ぶ。1999年にTeacher Training Course, Oxfordを卒業。2000年4月に帰国。以来、ダンス、演劇、音楽などのパフォーマーを中心に個人レッスンや、ワークショップを指導している。
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